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学科紹介

卒業生の声(2025年度)

2026.03.02

2025年度に寄せられた、卒業生の声を紹介します。

セキュリティエンジニア
(2016年度数学科卒)

入学前、私は将来数学の先生になりたいと考えており、大学では教職課程も履修していました。当時は、数学科に進学する=教員になる、というイメージが強く、他の選択肢についてはあまり具体的に考えていなかったように思います。しかし大学で学ぶ中で、数学科で身につけた力が教育以外の分野でも生かせることを知り、最終的に企業に就職する道を選びました。入学してから進路の選択肢が広がったことは、数学科を選んで良かったと感じている理由の一つです。

現在はセキュリティエンジニアとして働いています。仕事では、システムや通信のログを手がかりに、膨大な情報の中から重要な要素を抽出し、仮説を立てながら原因を論理的に特定していきます。この考え方は、大学時代の演習やゼミで、分からない問題に向き合い続けた経験と重なる部分が多くあります。また、少人数制の授業やゼミで自分の考えを言葉にして伝える機会が多かったことは、チームで仕事を進めたり、専門外の人に説明したりする場面で大きな助けになっています。こうした姿勢を評価していただき、新たな業務を任せてもらえたり、海外出張を含む幅広い仕事に関わる機会にもつながっています。理系出身でありながら、専門性だけでなく人と関わりながら仕事ができている点に、日々やりがいと楽しさを感じています。

津田塾大学の魅力は、少人数制ならではの温かい環境です。ゼミでは学問に真剣に向き合うだけでなく、バーベキューや誕生日会など、仲間との時間も大切にしていました。卒業論文や卒業試験に向けて集まり、励まし合いながら取り組んだ経験は、今でも心に残っています。教授との距離も近く、在学中はもちろん、卒業後も近況を報告し合える関係が続いていることを嬉しく思っています。

私自身、入学した当初は今の自分の姿をまったく想像していませんでした。けれど、大学での学びや出会いを通して、思いがけない経験や仕事につながっていきました。津田塾大学での時間が、みなさんにとっても「こんな未来もあるんだ」と感じられるきっかけになれば嬉しいです。

公立高校教員
(2023年度数学科卒)

私の大学生活における一番の学びは、変化に柔軟に対応することと自ら変化を起こしていくことの重要性です。高校生までの間は、困っている際に助けを呼ばなくても、周囲の人が自然と手を差し伸べてくれることに甘えていました。そのため、自分の思い通りにいかないことがあると不機嫌になり、周りに迷惑をかけていました。今になって客観的に振り返ると、自ら行動を起こしもせず、周りにだけ都合よく変化を求めていたのだとわかります。社会に出ると、不機嫌は不機嫌のまま放置されます。周りに変化を求めて拗ねていても何も変わりません。私は大学生活を通して、自分が望むことは自分で行動を起こすことではじめて実現できるのだと学ぶことができました。この学びは、今でも私の中で大きな核となっています。

私たちの大学生活は、他の年代の人たちとは大きく違う点がたくさんありました。2019年4月に入学し、1年間を過ごした後、新型コロナウイルスの影響で2年間オンライン授業を受けていました。私はその後1年間オーストラリアへ留学をし、帰ってきて4年生としてまた1年間大学生活を過ごしたのちに、2024年3月に卒業しました。翌4月から現在に至るまで、公立高校の数学教員として勤めています。

津田塾大学数学科は、1学年あたり50人程度と小規模で、仲間意識を持ちやすく、居心地のとても良い集団でした。高校生の時には理系に進む友達が一人もおらず、数学について話したり、一緒に勉強をしたりする経験に乏しかったのですが、数学科でできた友人とは今でも定期的に会って数学談義をしたりしています。数学という共通の興味を持っているからだけではなく、多くの授業を一緒に受けて助け合った経験を経たからこそ、今でも続く友情を築くことができたのだと感じています。少人数授業の利点は学習面においても、多くの授業で強く実感しました。オンライン授業の期間も少人数で授業を受けることができたため、受け身な姿勢ではなく、主体的に学ぶ態度を身につけることができました。その経験は留学先でも大いに役立ち、拙い英語でも積極的にクラスメイトや先生に質問しに行くことができていました。大学生活は自由度が高く、自分で学習をコントロールすることができるからこそ、怠けてしまうこともありました。それでも、やりたいと思ったことを実現できる環境に恵まれたことで、責任を持って学習を進める力を身につけることができました。新型コロナウイルスの流行によって多くの行動が制限され、自分の思い通りにいかないことが増えました。自分の力ではどうしようもないことに対して文句を言っていても何も変わらないのだということに、そのとき初めて本質的に気がつきました。わからないことやできないと感じたことを早々に諦めて周囲の人々に無意識的に甘えていたことを自覚し、自分の力で解決しようとしたり、周りに頼れることに感謝をしたりすることを学びました。今でも周囲の人々のサポートに気づかず、当たり前のように過ごしてしまうこともありますが、助けてもらえていることに素直に感謝し、恩返しをしたい、という気持ちを持つことができるようになったのは、たくさんの方々に支えてもらった大学生活を過ごした経験があってこそだと思っています。

津田塾大学では、数学以外の科目もたくさん受講することができました。教職課程や日本語教員養成課程を経て知り合った他学科の学生に話を聞いて興味のわいた授業は片っ端から受けに行きました。幼少期から英語や国際交流に興味があったため、数学科に所属していながら外国語や外国文化を学ぶことができたのは、私にとっては最も理想的な環境でした。希望制で、昼休み時間中に受けられる発音講座や外国語カフェはオンライン期間中にも変わらず受けることができ、毎週とても楽しみにしていました。1年生の終わりに参加した語学研修でイギリスに3週間滞在したことがきっかけで、留学への憧れの気持ちがとても大きくなりました。語学研修の前後には英語の外部試験の受講の機会があり、語学力の向上へのモチベーションもとても高まりました。津田塾大学の語学研修プログラムならではの、密度の濃い学びを得られました。津田塾大学の卒業生で、現地で日本語を教えている先生によるコーディネートがあり、将来自分もその卒業生たちの仲間入りができるのだととても楽しみに感じた記憶があります。母校を誇りに思い、後輩を支援する卒業生が多いのは、津田塾大学の大きな魅力の一つだと思います。また、研修先でお世話になったホストファミリーとは、7年近く経った今でも連絡を取り合っています。素敵な縁をつないでもらえたことにも深く感謝しています。オンライン期間中にも開講されていたTOEFL対策の授業や、少人数のオールイングリッシュのクラスを受けて英語力を高め、コロナ明けには、語学研修なしの基準を満たした上で協定校の大学に留学することができました。英語力の向上には今でも力を入れており、ポッドキャストや洋画、洋書を用いて勉強する習慣を大学生のうちに身につけることができたことは一生ものの財産です。大学時代に得た知識のうち、今の仕事や生活に直接結びついているものもたくさんありますが、勉強の進め方を身につけられたこと自体がとても良い経験でした。これから先の人生で、新たに学びたいことが見つかったときにもいつまでも勉強を続けられる自信が得られました。

現在は都立高校で数学科の教員として働いています。年齢の近い生徒を相手に、自身の不勉強を痛感したり、自分の甘えた部分や至らないところに目を背けたくなったりすることも多々あります。それでも、私が今までの経験で学んだことを少しでも伝えられたらいいなと思って生徒たちと向き合っています。生徒たちの中には、すでに志望大学や将来の目標を決めている人もいますが、多くは漠然としたイメージだけをもって進学していきます。私自身も高校卒業時には将来就きたい職業や理想像が固まっていませんでしたが、大学時代に新たな経験を積んだり、自分の興味を追求したりしたことで、なりたい姿を思い描くことができるようになりました。平均寿命が長くなり、定年退職の年齢が高齢化している今の世の中で、18歳の段階で向こう50年近くを左右する大きな決断をすることは決して簡単ではないと感じています。だからこそ、キャリアプランの変更に対応できるよう、いつまでも学びの姿勢を持ち続け、新たなことに挑戦する姿勢を身につけることが重要だと考えます。私自身も将来、転職を考えることがあるかもしれません。そのときには、大学時代に培った、変化に強いしなやかさと、自ら変革していく逞しさを生かしていきたいです。

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